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昨年末にサイバークリックがバナー広告サービスから手をひいたかと思えば、今トップにはってあるバナー広告の提供元であるバリュークリックが広告掲載費の値下げを決定しました。
そうしないと広告が取れないためのやむない措置だそうです。
当然おおもとの広告収入が減るのですから、うちみたいにそのバナー広告を掲載しているとこにだって影響がくるのは当たり前の話で、1回クリックされることに対してこちらに支払われる報酬は一律30%カットとなってしまいました。
もともと昨年ぜんぜん更新しなかったこともあり、クリック率は減少の一途を辿っています。
そこへきてさらにこの単価カット。
レンタルサーバー代が重くのしかかる、まったく厳しいご時世になったものです。
ところで自分が就職したのは1995年のことでした。
ちょうどWindows95フィーバーがおこった年で、横浜にあるBekkoameというプロバイダが低価格サービスをうちだして、インターネットというものに市民権を与えつつあった時代です。
Windows3.1上でモザイクやNetscape1.0が動き、学生がコーヒーサーバーに残っているコーヒーの量をWEB経由で確認できるようにしたものが、遠い日本の地にあっても見れちゃったりするんだよなんてことが、意味もなく「すげえ」ともてはやされていた時代でした。
自分の就職してからやったはじめての仕事はインターネット上に広告を掲載するサービスの構築というものでした。
実際にはプログラムなんて書くことはほぼなくて、「美術は5でしたよ〜」と先輩社員に答えたことがきっかけで、ただひたすらにアイコンやトップに飾るイラストなんかを描き続けていたのです。
イメージキャラクターはイルカだというので、春夏秋冬用に4つのイルカ、春は桜を愛で、夏は海で遊び、秋は温泉につかり、冬は氷山にたたずむ、そんな絵を描いていたのです。
このサービスはパシフィコ横浜で行われるコンピュータイベントに出展することになり、なぜだか来年配る会社のカレンダーにもこのイルカを使おうということになり、さらに8枚のイルカを描き足して、12ヶ月分イルカがしめるカレンダーが出来上がったりしてたのでした。
さてさて、広告掲載サービスなもんで広告をとってこなきゃいけません。
その頃なぜか社長室付けなどというわけのわからんポジションにいた自分は、朝出社しては電話帳をひらいて片っ端から電話をかけまくるという営業活動にいそしんでおりました。
ソフトウェア開発の会社にプログラマとして入社しておきながら、その最初の一年間にやったことは「イラストを描く」ことと「とびこみ営業」だったのですから不思議な身の上話ですが、とにかくそうして話を聞いてくれる客を捕まえては、自前でこさえた販促資料を片手に広告を出してくれ〜と歩き回っていたのです。
「インターネット?何それ?」
「インターネット?誰が見るのそんなもの」
当時としては至極まっとうな答えです。
ニフティサーブのようなパソコン通信の方がまだ知名度もあって市民権を持っていた頃の話。どのお客さんからも返ってくるのはそんな答えばかりでした。
結局その広告事業は今では跡形もなく消え去り、その翌年あたりから色々な形態の広告掲載事業が方々のベンチャー企業から現れては消え、姿かたちを変えて今へと続いてきたのです。
あの頃と今ではインターネットの知名度には雲泥の差があります。
気がつけばパソコンを持ってる家庭の方がかなり当たり前になってきました。
あの時の広告事業がぽしゃったように、その後あちこちから出ては消えていった広告事業のように、今のバナー広告という形態もまた消えていく時期になってきたのかななんて思う今日この頃。
けれども雑誌のシェアを食いつつあるWEBはもはや無視できるわけもなく、いったん「金になる」と思わせたインターネットを「金にならん」という結果に終わらせたくない会社がいっぱいある以上、手を変え品を変えて新しいサービスをうちだしてくるんでしょう。
ネットバブルもはじけちゃった厳しいご時世ではあるけども。
今度はどんな変化がおこるのかなぁと考えるとなかなか楽しみではあるのでした。
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